領収書の保管期間はいつまで?パターン別に注意事項までくわしく解説!

2019年12月23日

目次

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領収書は取引の受領事実を証明し、支払った代金の再請求を防ぐ役割があります。
そのため、シチュエーションに応じた保管期間が定められており、その期限を過ぎるまでは破棄してはなりません。

こちらでは、領収書の保管期間や注意事項を、パターン別に解説します。

領収書の保管期間は?覚えておくべきポイント

領収書には5〜10年の保管期間が定められています。
期間に幅があるのは、状況に応じて年数が異なるためです。なお、ここ10年の間に何度か法律が改正されているため、誤った年数で覚えている方もいるかもしれません。

領収書は、確定申告や決算の際であっても税務署へ提出する必要はありません。ただし、税務調査が入った際には確認を求められる可能性があります。

領収書の保管期間をパターン別に解説

領収書の保管期間は状況に応じて異なります。まずは、法人と個人事業主における違いから解説します。

領収書の保管期間①法人の場合

法人の会計処理における領収書は、「帳簿書類」に分類されます。
帳簿書類には7年間の保存期間が法人税法で定められています。

つまり、領収書は7年間ほど保管する必要があります。なお、期限がカウントされるのは法人税申告期限日からです。
そのため、2019年に使った経費の領収書を2020年の決算で申告した場合は、2027年まで保管の義務が生じます。

ちなみに、保管期間が7年間である理由は、税金の滞納に対する時効が、同じく7年間だからです。
以前まで、中小法人は領収書を5年間保管すべきとされていました。
しかし、2004年に実施された税制の改正により、企業規模にかかわらず、すべての法人が7年間の保存を義務づけられるようになりました。

領収書の保管期間②個人事業主の場合

個人事業主における領収書は、所得税法によって保管期間が定められています。ただし、確定申告の種類によって異なるため注意しましょう。

白色申告の場合、保管期間は5年間です。ただし、帳簿等は7年間の保管が必要とされていますので、合わせて保管しておくほうが無難でしょう。

青色申告の場合は、7年間が保管期間です。こちらも白色申告と同様、帳簿等は7年間の保管が必要となるため、まとめて保管しておきましょう。ちなみに、前々年度の所得が300万円以下の場合は、5年間でよいという例外もあります。

なお、いずれの場合も、保管期間が起算されるのは確定申告の期限日となります。2019年に計上した経費を2020年に確定申告した場合は、白色申告だと2025年、青色申告だと2027年までの保管が必要なので注意しましょう。

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注意しておきたい領収書の保管期間ルール

領収書の保管期間には、いくつか注意すべきルールがあります。代表的なものを以下にまとめたので、参考にしてください。

領収書の保管期間①売上が赤字の場合

赤字で決算を迎えた場合には、欠損金の控除が行えます。これは、欠損金が発生した翌年度以降の決算で益金が出た場合、過去の欠損金を計上して利益を相殺できる制度です。

なお、欠損金の控除の繰越期限は9〜10年間です。それに合わせて、欠損金が出た年度の領収書は9〜10年間の保存義務が生まれます。正確な期間は、欠損金を控除した年度によって異なるため、以下でご確認ください。

事業年度 欠損金の控除の繰越期限 領収書の保管期限
2019年4月1日以降 9年間 9年間
2008年4月1日以降 10年間 10年間

領収書の保管期間②仕入れ税額控除を受けている場合

仕入れ税額控除とは、納付する消費税(仮受消費税)から、その年度に支払った消費税(仮払い消費税)を差し引く制度のことです。

仕入れ税額控除を受けている場合には、領収書を7年間保存する義務が発生します。

たとえば、白色申告をする個人事業主の方の場合は、前述のように領収書を5年間保管するのが基本です。しかし、仕入れ税額控除を受けているのであれば、期間が長いほうが優先されるため、7年間の保管になります。

領収書の保管期間③電子取引の場合

取引情報の授受を電磁的方式で行うことを、電子取引と呼びます。領収書をPDFファイルでメール受信するといったケースです。

このような電子データでの領収書は、必ずしも印刷して保存しなければならないということはありません。

ただし、以下のうち、どれか1つの保存方法に統一しなくてはなりません。

  • そのまま保存する
  • 紙等に出力して保存する
  • 電子計算機出力マイクロフィルム(COM)に出力して保存する

なお、保管期限については、事業年度の確定申告提出期限を起算日として7年間となります。そのため、白色申告や一部の青色申告で確定申告を行う個人事業主の場合は、データを5年間で削除しないよう注意しましょう。

 

「領収書の電子化」で長い保管期間を乗り切る方法

このように、領収書は長期にわたり保管が求められる書類です。
とくに欠損金の控除を行っている場合には、最長10年間の保管が求められるため、物理的なスペースが圧迫されることもあるでしょう。また、紙が劣化してしまう可能性も考えられます。

こうした際に利用したいのが、領収書の電子化です。従来の領収書の電子化は、スキャナを用いて領収書を画像データ化する必要がありました。
しかし平成27年度の規制緩和によって、現在はスキャナだけでなく、デジタルカメラやスマートフォンで撮影した写真も電子データとして認められるようになっています。

ただし、領収書の電子化には、以下の条件がありますので注意しましょう。

  • データ保存を開始する3カ月前までに税務署へ申請を行い、承認を受ける
  • 領収書の電子化は受領後3日以内に行い、その際には「タイムスタンプ」という電子署名が必要

なお、スキャン・撮影後の元本は、税理士などの第三者が確認した後に破棄を行います。撮影したからといってすぐにシュレッターにかけないよう注意しましょう。

 

領収書の保管期間は、基本的に7年間が推奨されます。
また、事業が赤字になった年だけは、10年間の保存が必要と覚えておきましょう。

保管スペースや劣化などを考慮すると、領収書のデータ化もおすすめです。電子保存は以前に比べてハードルが低くなりましたので、ぜひご検討ください。

 

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