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[非表示]領収書作成の際、覚えておきたいのが収入印紙のルールです。収入印紙が必要かどうかは、領収書の金額によって変わります。今回は金額面でのルールを中心に、収入印紙の貼り方についてご紹介します。
領収書に収入印紙を貼る正しいルールを解説!金額によって扱いが変わる?
収入印紙の貼り付けにはいくつかのルールがあります。ここでは、領収書の金額別の収入印紙や、金額に消費税を含めるかどうか、消印(割り印)の方法などをご紹介します。
収入印紙の貼付ルール①5万円以上の場合は必要
2014年3月の印紙税法と租税特別措置法の改正までは、受取金額が3万円以上の領収書には収入印紙が必要とされていました。しかし、2019年5月末時点では、領収書の受け取り金額が5万円未満の場合、印紙税はかからず、収入印紙の貼り付けも不要となっています。
一方、受け取り金額が5万円以上になると、200円以上の収入印紙の貼り付け義務が生じます。
収入印紙の金額は、領収書に記載される金額が、商品やサービスの売上によるものか、そうではないのかによっても異なります。
売上代金以外の領収書の場合、金額が5万円以上のものと、受け取り金額の記載がないものに一律200円の印紙税が発生します。なお、5万円未満は非課税です。
売上代金の領収書の場合、以下のように、受取金額が上がるにつれて、必要な収入印紙の金額も上がっていきます。
下記表を参考にしてみてください。
領収書の金額 | 収入印紙の金額 |
5万円未満の場合 | 非課税 |
5万円以上~100万円以下 | 200円分 |
100万円以上~200万円以下 | 400円分 |
200万円以上~300万円以下 | 600円分 |
300万円以上~500万円以下 | 1,000円分 |
500万円以上~1,000万円以下 | 2,000円分 |
(以下略)
消費税を含んだことで5万円を超えた場合は不要?
領収書に記載する金額は税込表示です。消費税8%の場合、本体価格46,296円~49,999円のときは、領収書に記載される金額が5万円を超えてしまいます。また、2019年10月以降に消費税が10%へ引き上げられた場合は、本体価格45,455円~49,999円になると、税込金額の記載が5万円を超えます。
上記のように、本体価格が5万円未満でも、領収書に記載する売上代金が税込で5万円以上になった場合、収入印紙は必要になるのでしょうか。
印紙税の対象となる金額は売上代金のみとなり、消費税は含まれません。そのため、領収書において本体価格が5万円以下であることを明記できていれば、印紙税は非課税となります。
ただし、以下のように表記が不十分な場合は収入印紙を貼り付ける必要が生じます。
◇収入印紙が必要:消費税の金額が記載されてない
- 税込価格のみが記載されているパターン
- 消費税の詳細な金額がなく、(税込)と記載されているだけのパターン
上記のように、本体価格が5万円未満であると明記されていないものは印紙税の課税対象となります。一方、以下のような方法で記載すれば、収入印紙の貼り付けは不要です。
◇収入印紙が不要:消費税の金額が記載されている場合
- 税込価格に加え、消費税の金額も記載されているパターン
- 税込価格に加え、消費税や本体価格の金額が記載されているパターン
収入印紙の貼付ルール②収入印紙に消印(割り印)を押す
売上代金の記載された領収書等に収入印紙を貼る際は、消印(割り印)を押さなければなりません。消印(割り印)がないと、収入印紙が再利用されてしまう可能性があるためです。
消印(割り印)は、収入印紙と領収書にまたがるようにして押します。位置の指定はないため、収入印紙の上下左右どこに押してもかまいません。
印鑑がない場合はサインでも消印(割り印)の代わりになります。ただし、鉛筆のように消してしまえるものではなく、ボールペンや万年筆などのインクで記載しなければ効力を発揮しません。
領収書に収入印紙が不要なケースとは?
受取金額が5万円以上の領収書であっても、すべてに収入印紙を貼り付ける必要はありません。クレジットカードでの取引や電子データとして作成した領収書なら印紙税がかからないため、収入印紙は不要です。
領収書に収入印紙がいらない場合①クレジットカードでの取引
クレジットカードでの取引の場合、現金のやり取りは発生しません。これは直接の金銭取引がない「信用取引」にあたるため、たとえ売上代金が5万円以上であっても、収入印紙は不要です。
ただし、クレジットカードを利用したことを領収書に明記しなければ、印紙税が発生し、収入印紙が必要となります。また、電子マネー決済は現金のやり取りと同様とみなされるため、収入印紙が必要であることにも注意しましょう。
領収書に収入印紙がいらない場合②FAXやPDFなどの電子データ取引
FAXや、PDFなどの電子データによる領収書送付は、実際に文書が交付されているとはみなされません。そのため、売上代金が5万円以上の場合であっても収入印紙が不要です。
大きい金額を取り扱う際に印紙税を節約するには、できるだけ領収書を電子化するのがおすすめです。紙の領収書よりもスマートに送付でき、かさばらないというメリットもあります。
領収書における収入印紙の貼り忘れは違反行為
税法により、領収書への収入印紙の貼り付けは納税の義務となっています。
売上代金が5万円以上であるにもかかわらず収入印紙を貼り忘れたら、税法上の違反行為となるため注意しましょう。ここでは、収入印紙の貼り忘れはどういった影響を及ぼすのか、領収書の発行元(営業側)・支払者それぞれのパターンについてご紹介します。
なお、税法上、収入印紙を貼ることが定められている理由については、のちほど説明いたします。
収入印紙がない領収書を渡した発行元(営業側)はどうなる?
収入印紙が必要であるにもかかわらず貼り付けを怠った場合、発行元(営業側)には印紙税法違反の「過怠税」が課せられます。
支払金額は本来収めるべきだった印紙代の3倍です。
例えば売上代金が6万円の領収書なら、収入印紙は200円で済みます。印紙の貼り付けを怠ると過怠税が加えられ、合計600円の納税が必要となります。
収入印紙がない領収書をもらった支払者はどうすればいい?
収入印紙の貼り付けは、発行元側の義務となります。たとえ収入印紙の貼り付けがない売上代金の領収書をもらったとしても、支払者側に問題は生じません。また、収入印紙のない領収書に効力がなくなることもありません。
そのため、発行元に依頼して無理に収入印紙を貼り直してもらう必要もないようです。ただ、相手と今後も円滑な取引を行いたいのであれば、気づいたときに指摘するのが無難です。
領収書に収入印紙を貼付する理由
収入印紙とは、印紙税の納入を証明するものです。郵便局などで収入印紙を購入することで印紙税を納入し、印紙税の課税対象となる文書に購入した印紙を貼り付けて割り印(消印)を押すことで納税が証明されます。
では、なぜ5万円以上の金額の領収書は印紙税の対象となるのでしょうか。
印紙税がかかるのは、経済取引にともなって作成される文書です。領収書は背景に経済的利益が発生することが推測できるため、印紙税の対象となります。領収書の形をとらないレシートや受取書などの書類も、実質的に金銭の受け取りが行われている証明となるため課税対象です。
ただ、私的な金銭の授受のように、営業に関係ない領収書は課税対象となりません。売上代金や借入金、保険金など、ビジネスに関するものに印紙税が発生します。
印紙税は、その他の税金と異なり税務署に申告する必要がありません。収入印紙を貼り付けて消印(割り印)を押すことで、納税したとみなされます。課税対象となる文書は20種類あり、契約書や為替手形などにも収入印紙を貼り付ける場合があります。
気になる方は、どの書類に収入印紙が必要になるか、しっかり把握しておきましょう。
まとめ
領収書に収入印紙を貼るかどうかは、さまざまな条件によって異なります。基本的に領収書に記載する金額が5万円を超えたら、収入印紙が必要になるか確認しましょう。また印紙代については、PDFデータやFAXにて領収書を送付する、もしくはクレジットカードにて取引することで、印紙代を節約することが可能になります。
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