適格請求書等保存方式(インボイス制度)とは?対応や登録方法を解説

2020年6月11日

目次

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2023年10月1日から導入される「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」。しかし、制度によって何が変わるのか?必要となる手続きは?と、不安を覚えられる方も多いでしょう。

この記事では、適格請求書等保存方式(インボイス制度)の概要や、適格請求書発行事業者の登録方法、制度導入前の対応や、仕入れ税額控除を受けるための対応を解説します。

なお、「インボイス制度とは?フリーランスや個人にも消費税が発生する?」もぜひご覧ください。

適格請求書等保存方式(インボイス制度)とは?

適格請求書等保存方式(インボイス制度)は、2023年10月1日から導入される消費税の仕入税額控除の仕組みです。従来、事業者であれば誰でも認められていた消費税の仕入税額控除を、税務署長認定の課税事業者(適格請求書等発行事業者)のみに限定することが目的です。

軽減税率制度の導入に伴い、請求書等の作成・保存方式は「区分記載請求書等保存方式」を移行措置として、適格請求書等保存方式(インボイス制度)に切り替えられることになります。

なお、2023年9月30日まで適用されている区分記載請求書等保存方式については「区分記載請求書等保存方式とは?変更点とやるべき対応をわかりやすく解説」をご覧ください。

 

制度導入後に仕入税額控除を行うには、適格請求書等発行事業者として認定された事業者の発行する「適格請求書等」が必要になります。ここでの「請求書等」とは、商品の適用税率や消費税額などを伝えるための請求書や納品書などのことです。

こうして書くと入り組んだ制度に見えるので、少しポイントをかみ砕いて説明をしてみましょう。

  • 2023年10月1日から、消費税の仕入税額控除の方法が変わる
  • 消費税が関わる請求等のやり取りには、適格請求書等が使われるようになる
  • 買い手側の企業にとっては、課税事業者からの請求書等でしか仕入税額控除ができなくなる
  • 売り手側の企業にとっては、適格請求書等の発行が必須になる

つまり、請求書等を正式な税務上の書類として扱うためには適格請求書等発行事業者になる必要があり、かつ正しい形式で適格請求書等を作成・発行しなくてはならない、ということです。以下で、より詳しい中身をご紹介していきます。

適格請求書発行事業者になるには?登録の流れを紹介

適格請求書を発行するためには、はじめに適格請求書発行業者への登録が必要です。まずは、登録の手順をご紹介します。

  • 納税地を所轄する税務署長に適格請求書発行事業者の登録申請書を提出する
  • 税務署長が、適格請求書発行事業者登録簿に法定事項を登載し、登録が行われる
  • 適格請求書発行事業者の登録番号が付与され、書面による通知を受ける

なお、適格請求書発行事業者の登録は、2021年10月1日から申請できます。

申告書に記載する内容(法人の場合)は?

適格請求書発行事業者の登録申請書には、以下のような記載項目が設けられています。

申請者の情報 ・事務所の所在地
・納税地
・名称
・代表者氏名
・法人番号
事業者区分 課税事業者 or 免税事業者
登録要件の確認 消費税法に違反した過去の有無等

なお、免税事業者の場合は上記に加えて「免税事業者の確認」という欄があり、課税状況に関する区分の確認などが行われます。

通知される登録番号は?

適格請求書発行事業者の登録番号の先頭には「T」が付きます。
法人の場合は法人番号が流用されるため、「T+法人番号」となります。

一方、個人事業主や人格のない社団などは法人番号を持たないため、新たに13桁の数字が付与され、「T+13桁の数字」となります。

免税事業者が適格請求書発行事業者になるためには?

適格請求書発行事業者の対象となるのは課税事業者のみで、免税事業者は登録できません。そのため、原則として「消費税課税事業者選択届出書」を税務署に提出して課税事業者になる必要があります。

なお、2023年10 月1日を含む課税期間中に登録を行えば、課税選択届出書の提出が不要になる経過措置が取られています。それ以降については、原則のとおり「消費税課税事業者選択届出書」の提出が必要となるので注意しましょう。

フリーランスなど個人事業主の方が課税事業者になるかどうかの判断については、「インボイス制度とは?フリーランスや個人にも消費税が発生する?」をご覧ください。

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適格請求書等保存方式(インボイス制度)導入までにやるべき対応

適格請求書等保存方式の導入に向けては、適格請求書発行事業者への登録だけでなく、書類のひな形変更といった対応が求められます。

登録申請は2023年3月31日までに済ませる

適格請求書発行事業者への登録申請は2021年10月1日から可能です。なお、2023年10月1日から登録を受けるためには2023年3月31日までに申請を行わなくてはなりません。

申請が困難な事情が認められれば2023年9月30日まで延長されることもありますが、できるだけ早めの手続きを心がけましょう。

適格請求書の記載事項を満たした書類のひな形作成

適格請求書には必須の記載事項があります。そのため、従来の請求書などのひな形に変更を加えなくてはなりません。
具体的には、以下の項目が必要です。【追加】と書いているものが、区分記載請求書等保存方式および適格請求書等保存方式での追加事項です。

適格請求書

  • 発行者の氏名又は名称
  • 取引年月日
  • 取引の内容
  • 受領者の氏名又は名称
  • 【追加①】軽減税率の対象品目である旨(「※」印などをつけることにより明記)
  • 【追加②】軽減税率と標準税率の、税率ごとの合計対価(税抜または税込)および、適用税率
  • 【追加③】税率ごとの合計消費税額
  • 【追加④】適格請求書発行事業者の登録番号

なお、小売業、飲食店業、タクシー業などは、適格簡易請求書でよいとされ、「受領者の氏名又は名称」を省略できるほか、追加②のうちの「適用税率」または追加③の「税率ごとの合計消費税額」のどちらか一方を省略することも可能です。

買い手側として、仕入税額控除を受けるために必要な対応

適格請求書等保存方式では、一定の事項を記載した帳簿および請求書などの保存が、仕入税額控除の要件とされています。具体的には、以下の事項を帳票に記載することが必要となります。

  • 税額位入れの相手方の氏名または名称
  • 取引年月日
  • 取引内容(軽減税率の対象品目である旨)
  • 対価額

なお、上記は現在適用中の「区分記載請求書等保存方式」からとくに変更はありません。すでに対応済みの場合は、そのまま継続しましょう。

保存が必要な書類の種類は?

保存が求められる請求書などの範囲は以下の通りです。適格請求書発行事業者番号が書かれた書類については、基本的に保存をしておくのが無難でしょう。

① 適格請求書又は適格簡易請求書
② 仕入明細書等(適格請求書の記載事項が記載されており、相手方の確認を受けたもの)
③ 卸売市場において委託を受けて卸売の業務として行われる生鮮食料品等の譲渡及び農業協同組合等が委託を受けて行う農林水産物の譲渡について、受託者から交付を受ける一定の書類(前記3(2)②③の取引)
④ ①から③の書類に係る電磁的記録

出典:国税庁

適格請求書等が交付されない場合は?

適格請求書等の交付が困難な場合には、帳簿のみの保存で仕入れ税額控除が認められます。具体的には、以下の取引が該当します。

① 適格請求書の交付義務が免除される前記3(2)①④⑤に掲げる取引
② 適格簡易請求書の記載事項(取引年月日を除きます。)を満たす入場券等が、使用の際に回収される取引
③ 古物営業、質屋又は宅地建物取引業を営む者が適格請求書発行事業者でない者から棚卸資産を購入する取引
④ 適格請求書発行事業者でない者から再生資源又は再生部品(棚卸資産に限る)を購入する取引
⑤ 従業員等に支給する通常必要と認められる出張旅費、宿泊費、日当及び通勤手当等に係る課税仕入れ

出典:国税庁

2019年10月1日の消費税法改正に伴い、事業者には「区分記載請求書等保存方式」が求められるようになりました。これはあくまでも2023年10月1日から導入される「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」に向けた準備期間とされています。

そのため、「区分記載請求書等保存方式」の導入が完了した後は、「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」への準備が必要です。ポイントになるのは「適格請求書発行事業者登録」と「書類の雛形変更」、「帳票記載時の項目等確認」。早めに対策を行い、制度開始に備えましょう。
区分記載請求書等保存方式の請求書テンプレートはこちらをご覧ください。

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