「御中」や「様」などの敬称の違いとは?宛名に使う敬称の使い方を解説!

2021年10月28日

ビジネスマナーの1つであるメールや手紙の書き方ですが、「御中」と「様」の使い分けで迷っている方は多いのではないでしょうか。取引先や見込み客へ送る内容だからこそ、失礼のないように正しい書き方を覚えたいところです。

そこで本記事では、御中と様のそれぞれの意味を解説するとともに、使い分けから注意点、万が一間違えてしまった場合の対処法まで解説します。

「御中」と「様」のそれぞれの意味とは?

まずは、御中と様のそれぞれの意味をご説明します。御中とは、官庁・会社・団体の宛名の後に付ける敬称のことであり、様は個人名の後につける敬称になります。つまり、送り先(宛先)が企業の場合は「御中」を、個人事業主や個人の場合は「様」をつけるようにしましょう。

たとえば、メールの一文目に会社名を書くことが多いかと思いますが、その際に「〇〇株式会社様」と記載するのは、厳密に言えば間違いです。実際、株式会社等の会社名に様をつけて送る場合もありますが、それはビジネスマナー上では不適切であることは理解しておきましょう。

 

「御中」と「様」の使い方の違い

ここでは、実際に御中と様をどのように使い分ければ良いのか、使い方の違いを解説します。

「御中」の使い方

まず、御中は担当者の個人名まで特定できない場合に使います。代表例としては、「〇〇株式会社」「〇〇大学」「〇〇大学 〇〇部」などが挙げられます。これらは、組織名や団体名までしかわからないため、特定の個人に向けて送ることはできません。こういったケースでは、御中を使ってメールや手紙を送るのが正解です。

また、宛名に御中がつけられた文書であれば、宛名の組織に属する方なら誰でもその中身を確認して良いことも特徴です。たとえば、上述した「〇〇株式会社」の場合、その株式会社に属している社員であれば、誰でも宛名の文書を確認できます。

「様」の使い方

次に、様は送り先の個人名まで特定している場合に使用します。たとえば、取引先の部署の担当者名がすでに分かっている場合は、「〇〇株式会社 〇〇様」といった形で宛名を記載します。

上記の場合、特定の個人に宛てているため、その個人の方以外は開封してはいけません。また、担当者個人に宛てるものの、その担当者の方の名前がわからない場合は「〇〇株式会社 ご担当者様」と記載します。つまり、相手方の名前がわからなくても、あくまで個人に向けたものであれば「様」を使うということです。

さらに、相手方が弁護士や税理士、医師などの個人の場合は「先生」を使っても問題ありません。しかし、「〇〇先生様」としてしまうのは、先生と様で敬称を繰り返してしまっているため、誤りとみなされます。

まとめると、相手側が組織や団体の場合は「御中」を、個人の場合は「様」を使うようにしましょう。

 

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「御中」と「様」以外の敬称の使い方

ここまで、御中と様の宛名の使い分けを解説してきましたが、これ以外にも「殿」や「各位」、「行」などの敬称も存在します。ここでは、御中と様以外の敬称の使い方について解説をします。

殿の使い方

殿は、一般的に目上の立場の方から目下の立場の方に向けて使います。また、名前もしくは役職の後につける形が基本です。たとえば「マーケティング部 〇〇殿」「販売企画部 企画責任者 〇〇殿」などが挙げられます。

これらを見てわかるように、殿は取引先や顧客に対して使用するのは失礼にあたります。加えて、どうしても堅苦しいイメージが先行してしまうため、近年のビジネスシーンではあまり使われていません。殿を使うべきか迷った場合は、基本的には「様」で代用するのが良いでしょう。

各位の使い方

各位は、複数の相手に対して使う敬称です。殿とは異なり、相手が目上であっても目下であっても使えます。たとえば「〇〇部 関係者各位」「〇〇大学」「関係者各位」などが挙げられます。

ただし、「〇〇部 関係者各位様」「〇〇大学 関係者各位の皆様」などの使い方は不適切です。これは、各位に「皆様方」「皆様」の意味が含まれており、また個人に向けて使う敬称ではないためです。したがって、各位を使う際は「様」や「皆様」を加えないように注意しましょう。

行の使い方

行は、返信先の宛名が自分である場合に使う敬称です。ビジネスの現場では、相手方に送った内容に関して、返信が欲しい場合があるでしょう。そういった場合に使うのが行になります。予め行を記載しておくことで、相手側が「様」や「殿」を付け加える手間が省けるため、好印象を抱いてもらえるでしょう。

一方で、自分が返信する立場の手紙に予め行が入っている場合は、行を消して返信する必要があります。その場合、個人の場合は「様」を行の隣に記載し、企業や団体の場合は「御中」を行の隣に記載します。また、予め記載されていた行は、メールの場合は行を消し、手紙の場合は、縦書きの場合は縦の二重線、横書きの場合は横の二重線を引きましょう。

 

メールの場合の「御中」と「様」の注意点

ここまで、手紙の敬称に関して説明をしてきましたが、メールの場合でもマナーは同様なのでしょうか。結論から申し上げると、手紙とメールでは少々マナーが異なります。

まず、メールでは御中と様を併用してはいけません。たとえば「〇〇株式会社御中 〇〇様」などです。また、メールの件名に御中を使用することも不適切です。メールの件名は、相手方がひと目でメールの内容を理解できることが望ましいため、メールの内容を簡潔に記載しておくことが一般的です。

その他のマナーに関しては、基本的に手紙と同様だと捉えて問題ありません。

 

「御中」や「様」など敬称を間違えた場合の対処法

ここまで、メールや手紙の敬称について解説をしてきましたが、万が一の可能性として、今後敬称を間違えてしまうこともあるでしょう。そういった場合は、間違えてしまったことを気付いた時点で、すぐに謝罪のメールを送りましょう。また、間違えて送ってしまったメールに関しては、返信不要であることも伝えます。

謝罪のメールを送ることに気が引けてしまう方も多いかもしれませんが、取引をする以上は素直にお詫びを入れることが大切です。また、手紙などの書物で敬称を間違えてしまったときは、修正液を使用して送り直すのはマナー上失礼に値します。したがって、謝罪と併せて、書き直した書物を送り直すことが適切な対処法と言えるでしょう。

 

御中と様の使い分けや、その他の敬称の使い方を解説してきました。相手方が企業や団体の場合は御中を、個人の場合は様を使いましょう。ビジネスマナーの基本を押さえておくことで相手方の印象も大きく変わりますので、失礼のないよう理解を深めておくことが大切です。

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