夏休み、帰省や旅行でリフレッシュできた方も多いのでは?
地方は都市部に比べて時間がのんびりしていて、「また行きたい!」と思える魅力がありますよね。
そして、その地方の利点をうまく経営戦略に用いる企業も増えてきました。そこで、今回は、地方に拠点を構える「サテライトオフィス」の魅力をご紹介します。
ところで… サテライトオフィスとは?
サテライト・オフィスとは、企業または団体の本拠から離れた所に設置されたオフィスのこと。本拠を中心としてみた時に衛星(サテライト)のように存在するオフィスとの意から命名された。
日本では、1988年に埼玉県志木市の東武東上線柳瀬川駅前ビル内に開設された「志木サテライトオフィス」が本格的なサテライトオフィスの始まりとされている。これは大手企業数社(富士ゼロックス、内田洋行、NTTグループ、鹿島建設、リクルート)が共同で設置。
ーwikipediaよりー
サテライトオフィスは、IT技術の進化によって、企業にとっても、そこで働く社員にとっても魅力的な仕組みになってきています。
では、具体的にどういったメリットがあるのでしょうか。
サテライトオフィスを持つ5つのメリット
■ 時間の効率化
自宅が郊外にある社員にとって通勤は大きな負担です。地方に拠点を構えれば、通勤という無駄な時間を省くことが容易になります。また、移動時間のカットによる時間のさらなる有効活用も可能になります。
■ 固定費の削減
都内にオフィスを持たなくても、電話やメール、SkypeなどのITツールを活用してコミュニケーションを図ることで、遠隔でありながらも即時性のある対応ができるようになりました。
そのため、賃料の安い地方でオフィスの経費や交通費の出費などを抑えた経営が可能です。
■ 経営機能のバックアップ
自然災害などの際、企業にとって都市部に一極集中型の経営に大きなリスクが隠されています。特に、3.11の震災以降、リスク管理の一貫として地方に第二の拠点を持つ企業が増えてきています。このように、経営機能のバックアップとしてもサテライトオフィスが有効です。
■ 社員が元気になる
美味しい食材や、爽やかな空気、地元の人々とのふれ合いなど、都会ではなかなか味わえない魅力があるのも地方の良さ。通勤のストレスが減ったり、仕事の休憩中に川や海などの自然とふれあいリフレッシュしたりと、社員が元気になるきっかけが地方にはたくさんあります。
■ 人材採用の選択肢が増える
都市部は人材の取り合いになっており、いい採用に繫がらないことも多くなってきました。その点、田舎では働き口を探している人もいますし、地元にIターン・Uターンする人も最近は増えてきました。
そして何より、転職や就職を考える基準に“働き方”を重視する傾向が増えてきたことや、社員のライフスタイルを充実させる取り組みをしているという姿勢が、企業のイメージアップにも繫がるなどのメリットがあります。
実際に増えはじめている企業の取り組み
事例 1:徳島県
現在、首都圏の企業が多くサテライトオフィスを開設している徳島県。サテライトオフィスのプロモーションサイト「Tokushima Working Styles」というサイトも開設し、その魅力を紹介しています。
では、なぜ徳島を他県の企業が注目しているのでしょうか?それには、徳島県が他県に誇る2つの大きな財産を持っているからという理由があるそうです。
1つ目は県内全域に敷設されたCATV網です。このインフラにより県内の隅々まで高速インターネット網が同時に敷設されることとなりました。
2つ目は、自然豊かな過疎地域です。「限界集落」という大きな問題を同時に抱える一方で豊かな自然環境と歴史情緒あふれる古民家が多く存在しています。
事例 2:Sansan株式会社
上記で取り上げた徳島県の中でも、最近では各種メディアでも取り上げられるなど「日本のシリコンバレー」とも言われ注目されている街があります。
それが神山町。そこにクラウド名刺管理サービスの提供を事業ドメインに持つSansan株式会社がサテライトオフィスを構えています。
本社は、表参道にある急成長中のITベンチャーですが、サテライトオフィスでは古民家を利用。はじめはスマートフォン用の個人向け名刺管理アプリ「Eight」の開発者3名が2週間利用してみて実験し、結果、業務に集中できるということで、今では営業もネット上で行ったり、新人研修までもここで実施されているそうです。
少し歩けば温泉や川もあり、仕事のリフレッシュをするのにも最適な場所としてサテライトオフィスのメリットがありそうです。
Photo by Sansan株式会社
まとめ
ITの活用により、これからさらに働き方が多様化する時代に突入します。
その際の選択肢として、サテライトオフィスの導入を検討してみてはいかがでしょうか?