はじめに
新規に事業をはじめる時、あるいは新しくチームを作り上げる時、欠かせないのがメンバー間のコミュニケーションです。今回は、事業の立ち上げ時に役立つタスク管理・コラボレーションツールをご紹介します。
複数人でゴールへと突き進むためには、コミュニケーションの質を高め、効果的に情報を共有する必要があります。コミュニケーションを円滑に進めるための理論や、それを実現するためのツールは日々進化しています。チームに合った考え方、ツールを選択することが、勝利への鍵となります。
立ち上げ時期に解決すべき課題
新規事業にしても、スタートアップにしても、可能な限りスピードを上げて前進することが重要な課題となります。「確認のメールを送って、返信が届くまで1日待つ」というような従来からあるスタイルでは、変化が絶えない立ち上げの時期には対応できません。
スピーディーに情報共有ができて、コミュニケーションがとれる環境を構築しておくことは重要です。
必要なときに、いつでもどこからでも情報にアクセスできる環境を築くことも、検討すべき課題です。スマートフォンやタブレットの普及以降、オフィス以外の場所でもストレス無く仕事が続けられる環境が整いつつあります。移動中やちょっとしたスキマ時間に、気軽にプロジェクトの進捗状況を確認できたり、必要な議論を行えることは重要です。
最新のモバイル端末に適した情報共有の環境を構築しましょう。
遠隔から仕事に参加するリモートワークが注目を集めている事情も踏まえると、今後もこういった情報共有・コミュニケーションの環境構築は重要度を増します。忙しい立ち上げの時期だからこそ、適切なツールを選別してみてください。
実際に様々な環境を試した結果行き着いた答え
評価項目
それではこれから、おすすめのツールを紹介します。どれも実際に導入し、評価したものです。
評価の項目は、5つあります。まずはその評価項目を整理しておきます。
- 導入のしやすさ
- 共有のしやすさ
- UI の使いやすさ
- モバイル環境の充実度
- 汎用性
導入のしやすさ
新規に導入する際の敷居の低さを評価しています。新しく覚えることが少なく、手軽に始められるほど高い値になります。
共有のしやすさ
共有のしやすさを評価しています。簡単に共有できたり、外部と連携できるほど高い値になります。
UI の使いやすさ
ユーザーインターフェイスのわかりやすさ、直感的に使えるかどうかを評価します。より幅広い人に使いやすい製品ほど高い数値になります。
チームで利用する場合には、より多くの人にとって「使いやすい」ことが非常に重要です。
モバイル環境の充実度
スマートフォンやタブレットなど、モバイル端末への対応を評価します。より幅広い環境に対応し、そしてパソコンで使う時と同じ使い心地を維持できているほど高い数値になります。
汎用性
単純なタスク管理だけではなく、業務の効率化のために幅広い使い方ができるかを評価しています。応用の幅が広いほど高い数値になります。
それでは、評価を発表します。
Asana
Asana は、タスク管理機能を基本としたコラボレーションツールです。メールでのコミュニケーションを置き換えるというコンセプトを打ち出しており、タスクに紐づく情報の共有をすべて一箇所で実現してしまう製品です。
メールどころか、チャットすら不要になるほどの強力な情報共有機能を持っています。情報共有のインフラとして使うことができますので、少人数から大規模な組織にまで対応できます。
Asana はヘルプページが優れており、使い方の基礎から活用方法の提案まで、動画を使って解説しています。タスク管理を通して企業の文化まで変えてしまおうという力強さを持っています。
ただし、ヘルプページをはじめ、基本的には英語の解説しか掲載されていません。操作画面も、英語版しか用意されていません。利用する分には問題なく日本語が使えますが、英語が苦手な人が多いチームだと、導入が難しいかもしれません。
また、高機能であり、あまりにも先進的なタスク管理・情報共有方法を提案している製品であるため、導入の敷居が高いことが問題です。
チームで導入する場合は、まずは最少人数で利用をはじめてみて、全員が使い方に納得できるかどうかを検証することをおすすめします。全く馴染めないという人が複数いる場合には、Asana はチームに合わないと考えた方が良いと思います。
小規模なチームであれば無料で利用できますので、ぜひ一度お試しください。
導入のしやすさ | 3 |
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共有のしやすさ | 5 |
UI の使いやすさ | 4 |
モバイル環境の充実度 | 3 |
汎用性 | 5 |
合計 | 20点 |
Wunderlist
タスク管理に特化した製品です。リストを作成してタスクを登録し、関係者と共有するというシンプルな製品です。非常にシンプルなため、比較的導入しやすいというのが良い点です。
Wunderlist は、見た目の美しさや、モバイル版の完成度の高さが注目されています。直感的に理解しやすい上に、モバイル版でも簡単にタスクの管理ができます。
日本語化も進んでいますし、機能も少ないため、操作方法は直感的に理解しやすいものになっています。
タスクに関連するコメントのやりとりをする機能がついていますので、コミュニケーション・情報共有のツールとしても機能します。しかし、あくまでもタスク管理が主な用途となる製品になるため、汎用性は低いです。
シンプルなタスク管理ツールが必要な場合には、検討をおすすめします。Wunderlist も、無料で利用開始ができます。
導入のしやすさ | 5 |
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共有のしやすさ | 4 |
UI の使いやすさ | 5 |
モバイル環境の充実度 | 4 |
汎用性 | 2 |
合計 | 20点 |
Google スプレッドシート
スプレッドシートで工程管理をする方が向いている組織、プロジェクトの場合には、Google スプレッドシートの利用がベストです。
導入は非常に簡単です。ただし、タスク管理のツールとして利用するためには、スプレッドシートをカスタマイズする必要があります。このカスタマイズの方法は決して簡単なものではないため、チーム内に使い慣れた慣れた人が1人は必要です。
セル単位にコメントを残す機能もありますので、使い方によってはチャットやメールを置き換える使い方も可能です。
汎用性についてはダントツです。タスク管理のみならず、情報の分析や管理が1つのツールで実現できるという特徴があります。
導入のしやすさ | 5 |
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共有のしやすさ | 3 |
UI の使いやすさ | 3 |
モバイル環境の充実度 | 3 |
汎用性 | 5 |
合計 | 19点 |
総評
これから組織を作るという段階であれば、Asana を試してみることをおすすめします。使い方になれることができれば、自然と最適なタスク管理、情報共有を実現できます。使い方を覚えるという過程が、情報共有や効率的な仕事の進め方の教育になるという点がおすすめしている理由です。
もっと気軽に、オンラインで情報を共有することからはじめてみたいという方には、Google スプレッドシートが最適です。チームのみんなに新しいことを覚えてもらう必要も少なく、スムーズに始めることができます。
組織の形態や目指す仕事の進め方によって、最適なツールは様々です。そして、タスク管理、コラボレーションのためのツールは無数に存在します。最適なものを見つけることは簡単ではありませんが、この記事が少しでもお役にたてることを願っています。