領収書は再発行できる?紛失時の対処法と再発行時の注意点

2024年1月30日

こんにちは。請求業務をかんたんにするクラウドサービス「MakeLeaps(メイクリープス)」事務局です。

領収書は取引を証明する重要な書類ですが、紛失や破損するケースも少なくありません。しかし領収書の再発行は、基本的に困難です。この記事では、領収書の再発行について解説します。紛失時の対処法や、領収書の再発行を依頼された場合の注意点も解説しているので、参考にしてください。

そもそも領収書とは?【再発行の前に役割を確認】

領収書とは、商品・サービスの対価としての金銭の授受を証明するための書類です。主に、現金の受け渡しの際に発行されます。代金を支払った側が領収書の発行を請求した場合、代金を受け取った側は必ず発行しなければなりません。

領収書の役割

現金での支払いでは、銀行振込やクレジットカードなどの支払いと異なり、決済の記録が残りません。そのため、支払いが完了した後に受け取り側が「受け取っていない」と主張した場合、支払いが完了していることを証明するのが困難です。領収書は、こうしたトラブルを回避するために発行されます。

領収書と同じような書類に「領収証」があります。双方の違いについては、「領収書と領収証の違いをくわしく解説!レシートは代用できる?税務上の問題は?」をお読みください。

領収書が必要になる時は?

上述したとおり、そもそもは代金の支払い側・受け取り側間で起こり得るトラブルを回避するために発行される領収書ですが、実際には、他の必要性によって発行されるケースがほとんどでしょう。

代表的なケースが、会社員の経費精算です。業務上で立て替えた経費を精算するためには、決済の証明として会社に領収書を提出する必要があります。自営業の場合は、発生経費を計上するために領収書が必要です。また、医療費控除を受ける場合も、医療機関から発行される領収書が必要になります。

なお、領収書は法人税申告や確定申告、税務調査で求められる重要な書類です。そのため、7年間の保管義務が定められています。

領収書は再発行できる?できない?

基本的に、領収書の再発行は困難です。代金の受け取り側は、支払い側から領収書を請求された場合に、領収書を発行する義務がありますが、再発行については法律上の義務がありません。そのため、多くの場合、領収書の再発行は拒否されます。再発行が難しい理由は、領収書の二重発行を避けるためです。

領収書の二重発行とは

領収書の二重発行とは、同一の代金支払いに対して、二重に領収書を請求することです。架空取引の売上計上や、経費の水増し請求といったことに、不正利用される可能性があります。不正が発覚した場合、領収書の使用者は脱税の罪に問われますが、発行側も共犯の疑惑をかけられる可能性があります。そのため、発行側は安易に再発行には応じられません。

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領収書を紛失した際の対応方法

「必要な領収書が見つからない」といったトラブル時には、どのように対応すべきでしょうか。ここでは、領収書を紛失した際の対応方法について解説します。

代表的な5つの方法

領収書を紛失した際は、レシートを探す、出金伝票に記録するといった方法があります。代表的な対応方法は、以下の5つです。

領収書の再発行を依頼する

まずは、代金の受け取り側に再発行を依頼してみましょう。ただし、再発行に応じてくれるかどうかは事業者の判断に委ねられています。基本的には拒否されるケースがほとんどです。

購入証明書・支払証明書を請求する

事業者によっては、購入証明書・支払証明書の発行に対応しています。これらの書類があれば、領収書と同じく支払いの証明として使用可能です。ただし、多くの場合は発行するために費用が発生します。

レシートを探す

レシートを領収書の代わりに使用する方法もあります。証憑書類としての信頼性は領収書に劣りますが、多くの場合はレシートでも代用可能です。

出金伝票に記録する

出金伝票は、香典や自動販売機での購入といった領収書が発行されない場合に、作成する伝票です。支払先、日付、領収書の但し書きに相当する内容、金額などを出金伝票に記載すれば、領収書の代用として利用できます。その際は、余白部分に「領収書の紛失」と記載しておくとよいでしょう。

カード明細を確認する

支払いにカードを利用していた場合、利用明細の記録がそのまま領収書の代わりとして利用できます。第三者による公式の記録として税務調査にも対応可能です。クレジットカードを利用すれば、領収書の紛失を心配することもありません。

破損や汚損してしまった場合

破損や汚損により領収書を使用できない場合は、元の領収書があることを条件に再発行が認められるケースがあります。ただし、やはり発行側に義務はないため、必ず再発行されるとは限りません。

また、再発行を依頼する場合には、破損や汚損した領収書を持参する必要がありますので、ご注意ください。

領収書はスマートフォン管理が安心

現在は「電子帳簿保存法」の改正により、スマートフォンやデジタルカメラで撮影された領収書の画像データが取引の証拠として認められています。電子データで領収書を管理しておけば、原本を紛失・破損した際も安心です。

ただし、500万画素以上のカメラで領収書を撮影することが条件です。また、電子保存を開始する3か月前に「国税関係帳簿の電磁的記録等による保存等の承認申請書」を提出し、承認を得る必要がありますので、注意してください。

領収書の再発行を依頼されたら?

領収書の発行側として、顧客に領収書の再発行を依頼されるケースもあるでしょう。ここでは、再発行を依頼された場合の対応方法について解説します。

再発行できない旨を伝える

領収書の再発行は義務ではないため、原則として拒否できます。不正利用や税務署から疑いをかけられるリスクがあるため、基本的には拒否する対応が無難です。理由を伝え、丁寧にお断りしましょう。あらかじめ領収書に再発行に応じない旨を記載しておくと、注意喚起として機能します。

領収書以外の書類を提案する

顧客との関係性や要求の強さによっては、再発行に応じなければならないケースがあるかもしれません。その場合、領収書ではなく、支払証明書の発行を提案する方法があります。支払証明書とは、領収書と同じ効力を持ち、取引や支払いの存在を証明するものです。支払先、日付、領収書の但し書きに相当する内容、金額の4項目を記載すれば、領収書の代用として利用できます。

再発行しなければならない場合は「再」と記入する

今後の取引を円滑に進めるために、どうしても再発行に応じなければならない場合もあるでしょう。その際は、同じ内容の領収書を発行し、再発行であることを明確にするために、「再発行」「再」などのメモ書きやスタンプで記します。再発行であることがわかれば、不正に加担したと疑われることはありません。

領収書を再発行する際の注意点

領収書を再発行する際は、リスクを最大限軽減することが不可欠です。ここでは、再発行における注意点を解説します。

領収書の金額が5万円以上の場合は収入印紙が必要になる

領収書の金額が5万円以上の場合は、収入印紙と割印が必要です。再発行の場合も例外ではありません。最初の領収書で印紙代を負担している場合も、再発行では、再度、印紙代がかかる点に注意しましょう

領収書に貼る収入印紙のルールについては「領収書に貼る収入印紙のルールを解説!必要or不必要は金額で変わる」をご覧ください。

最初に発行した領収書は回収する

こちらの不備や破損による再発行の場合、最初に発行した領収書を受け取り側から確実に回収しましょう。回収しないと不正利用が生じる原因になるため、リスク回避のために必要です。回収した領収書はなくさずに保存します。再発行した領収書番号や日付をメモしておくと、管理しやすくなります。

再発行に関する経緯を記録する

再発行の経緯を詳細に記録することも重要です。最低限記録したいことは、取引先の情報、再発行の理由、依頼を受けた日付、どのように対応したのかといった情報です。万が一トラブルや税務調査が発生した場合に、事情を説明できればスムーズに対応できます。記録の内容は、細かいほど役立ちます。

まとめ

領収書の再発行は基本的に困難であるため、領収書は大切に保存しましょう。また、発行側として顧客から再発行を依頼された場合も、リスク回避のために安易には応じず、拒否や代替案の提示で対応します。領収書の発行や管理の業務効率化を目指すなら、クラウドサービスの利用がおすすめです。

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