根回しとは、物事を行なう前に関係者に相談して、暗黙の了解を取り付けておくことを意味します。この言葉は高度成長期から使われるようになったビジネス用語で、日本独特のビジネス習慣のひとつであると言えます。もともと園芸用語で、樹木の移植の前に行われる下準備作業のことを指していましたが、それがいつの間にかビジネスの世界で使われるようになりました。

根回しをするには、自分の周りがどういう力関係になっているか、またどういう話を持っていけば自分の企画が通るのか、ということを見極めることが重要なポイントになります。縦の関係が強い会社では、日常の些細なことについても、自分で勝手に判断せずに上司に一言お伺いを立てておいたほうが、後々のトラブルを避ける場合があります。

欧米では、自分の意見を主張できない人は無能であり、異論の出ない会議は無意味である、と考えられていますが、日本の組織は必ずしもそうではありません。日本人は組織内での和を最も尊重するため、日本の会議は、異論も出ずスムーズに議題が可決されて終了するのが理想とされます。そして、異論なく会議をスムーズに進めるためには、根回しが必要になってきます。みんなの意見を反映させ議案を事前に調整して会議に提案し、会議が淡々と進むことで結果的に意思決定がスムーズに進むことになります。このような理由から、根回しは効率が良いと考えられてきました。