DXの意味とは?デジタルトランスフォーメーションをわかりやすく解説

2020年10月12日

ビジネスなどの分野で、DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉を耳にすることが増えています。この記事ではDXの意味・定義や代表的なDXの事例について、わかりやすく解説します。あわせて、今後大きな問題となり得る「2025年の崖」についても紹介します。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の意味・定義とは?

経済産業省が2018年12月に発行した『DX推進ガイドライン』がきっかけとなり、注目を集めるようになったDX(デジタルトランスフォーメーション)。

DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、単なるデジタル化やIT化ではなく、デジタル技術を手段として用い、事業や働き方に革命的な変化をもたらすことを指します。

英語ではDigital transformationと表記しますが、英語では「trans~」と付く単語をxと省略することが多いため、デジタルトランスフォーメーションの略称は「DT」ではなく「DX」となります。

ここで、DX(デジタルトランスフォーメーション)と「デジタル化」との違いを確認しましょう。

例えば、本の場合を考えます。従来であれば紙の書籍として販売されていたものが、文章や画像をデータ化した電子書籍をダウンロードする販売方法に変わったのがデジタル化です。一方で、ユーザーの電子書籍の購入傾向を分析して他の書籍をレコメンドしたり、定額で電子書籍が読み放題といったサブスクリプション形式のサービスを開発したりという変化は、デジタル技術を活用してサービスの体験自体を変えたDX(デジタルトランスフォーメーション)だといえます。

DXの意味

また、日常的な業務のやり方に目を向けると、手書きで書いていた請求書や領収書などの書類をパソコンで作成するようになることはデジタル化です。それだけではなく、顧客のリストを一括で管理して、毎月必要な書類が自動で作成されるシステムを導入する場合は、DX(デジタルトランスフォーメーション)だといえます。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の定義

DX(デジタルトランスフォーメーション)の考え方は、2004年にスウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授らが「すべての人々の生活環境をデジタル技術で変革していくこと」を提唱したのがはじまりです。

また、2018年に公開された経済産業省の『DX推進ガイドライン』においては、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。」と定義されています。

近年、オフィスではペーパーレス化が進みつつありますが、先述のとおり、DX(デジタルトランスフォーメーション)は単にこのようなデジタル・IT利用を指すのではありません。デジタル技術を手段とし、ワークスタイルやライフスタイルの変革、市場開拓、新たな価値の創造を実現する意味合いを持っています。

 

DXの意味を3つの事例でわかりやすく解説

ここからは、DX(デジタルトランスフォーメーション)の事例を紹介します。

DX事例①Uber、Uber Eats

Uber(ウーバー)は、アメリカのウーバー・テクノロジーズが運営する、GPSを利用したオンデマンド配車・カーシェアリングサービスです。

DX(デジタルトランスフォーメーション)の代表的なビジネスモデルとしてよく挙げられるUberは、スマートフォンでの予約やGPSでの位置情報表示ができるという点だけではありません。最大の特徴は、タクシーに乗りたいユーザーと、空き時間を利用して仕事を得たいドライバーをつなぐマッチングサービスであるという点です。デジタル通信技術を用いて便利なサービス形態を発明したことが、タクシー業界に大きな影響を与えました。

日本では、飲食店と連携した宅配サービスUber Eats(ウーバーイーツ)が事業を拡大し、利用者や加盟店を増やしています。こちらも、空き時間に働きたい人と宅配サービスを使いたい人のマッチングサービスだといえます。2020年8月からは配送料の定額制(サブスクリプション)サービスも始まり、今後も伸びていくと考えられます。

DX事例②Amazon

オンライン上で本を売買するインターネット書店としてスタートしたAmazon(アマゾン)も、DX(デジタルトランスフォーメーション)の代表的な事例の1つです。

1994年に設立されてから、取り扱い商品の拡大、注文履歴や顧客情報を用いたレコメンデーション機能、在庫管理の最適化など、オンライン購入ならではの価値を提供し続けています。ユーザーファーストを徹底して人工知能やビッグデータといった技術を積極的に活用し、新たなビジネスモデルを確立しました。またAmazonの電子書籍サービスであるKindle(キンドル)では、購入から使用までを一貫してインターネット上で行えるほか、専用の端末も販売されています。ユーザーの体験や従業員の働き方、ビジネスの形態などに革新的な変化を与えたAmazonなどの企業は、「デジタル・ディスラプター(創造的破壊者)」と呼ばれることもあります。

DX事例③Netflix

Netflix(ネットフリックス)は、1998年にオンラインでのDVDレンタルサービスの展開を始めました。1999年よりレンタルサービスの月額定額制(サブスクリプション)を導入、2007年からストリーミング配信サービスを展開し、視聴までがインターネット上で完結するモデルに移行しています。

従来は、自宅で映画を鑑賞したければレンタルショップにDVDを借りに行き、再びレンタルショップに返却しに行くという手間がかかっていました。しかしNetflixのようなインターネットを用いた動画配信サービスにより、パソコンとインターネット環境があればいつでも手軽に動画コンテンツが楽しめるようになりました。

また、Netflixは既存の動画コンテンツだけでなく、ビッグデータを活用して人々の心をつかむオリジナルコンテンツを制作・配信している点でも画期的だといえます。これまでの映像視聴とは異なる体験を顧客にもたらしたことが、Netflixの大きな特徴です。

 

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DXを推進する意味とは?ビジネスにとって重要?

今、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進が求められているのにはいくつかの理由があります。

まず、ワークライフバランスの重視やテレワークの普及など、働き方の変化が理由として挙げられます。

また、消費者の行動やマインドの変化も見逃せません。DX(デジタルトランスフォーメーション)による便利な商品やサービスに慣れた消費者は、既存の煩雑な手続きを避け、離脱していくと考えられます。

さらに、デジタル技術の進化によって、革新的なビジネスモデルを展開する企業が新規参入してくる可能性も考えられます。そして、DX(デジタルトランスフォーメーション)を適切に行えなかった場合に起こりうるのが、「2025年の崖」と呼ばれる問題です。

これは、先述の経済産業省『DXレポート』で指摘されている問題で、既存システム(レガシーシステム)の老朽化や人材の不足により、大きな経済的損失が出るというものです。この問題を解消できなかった場合、2025年から2030年にかけて年間で最大12兆円の損失が生じると予想されています。

詳しくは、「2025年の崖とは?わかりやすく解説―ITシステムの課題と経済産業省レポート」をご覧ください。

 

意味あるDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めるために

DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めていくためには、まず既存システムの見直しや、手作業で行っている業務のIT化から始め、業務効率化を図りましょう。

実際に、経済産業省でも、まずは業務システムの見直しを行い、その後にDX(デジタルトランスフォーメーション)の考えに基づいた革新的なビジネスモデルを考えるべきだと解説しています。

特に、経理や総務関連の業務は、これまで日本のビジネス形態に合ったDXサービスが少なく、業務効率化やテレワークが進んでいませんでした。クラウド型請求管理サービス「MakeLeaps(メイクリープス)」なら、見積書や請求書などのビジネス書類をパソコンで作成できるだけではなく、出来上がった書類の郵送、毎月定期発行する書類の作成予約、商品情報などの一元管理など、さまざまな機能が揃っています。

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