見積もり・見積り・見積…このうちどれが正しい書き方でしょうか?

見積もり書・見積り書・見積書の場合はいかがでしょう?

 

疑問に思い、実際に調査してみました。

 

結論は以下の通りです。

・見積もり・見積り・見積いずれも正しい。

・見積もり書・見積り書・見積書の中で最も正しいのは「見積書」である。

この結論に至った過程を、以下の欄でご説明します。

 

実際の使用頻度

それぞれの定義について説明する前に、まずは「見積もり」、「見積り」、「見積」の3つの実際の使用頻度を比較してみました。

Googleで「キーワード1 -キーワード2」と入力すると、「キーワード1」を含み「キーワード2」を含まないページの検索をすることが出来ます。これはマイナス検索と呼ばれます。これのように3つの読み方(見積もり、見積り、見積)の使用頻度を比較したところ、以下の結果となりました。

見積もり:6,200万件

 

見積り:3,770万件

 

見積:2,670万件

・見積もり:6,200万件
・見積り:3,770万件
・見積:2,670万件
と、インターネット上では「見積もり」が若干優勢となっていますが、実際の定義上はどのように定められているのでしょうか?

 

見積もり・見積り・見積について

2012年10月現在、日本語の送り仮名は、内閣告示第二号の「送り仮名の付け方」によって定められています。これは昭和48年の6月18日に発行されました。

 

「みつもり」という言葉は、活用のある語(見積もる)から転じた活用のない名詞です。

そして「送り仮名の付け方」の通則4には、こうあります。

【本則 活用のある語から転じた名詞及び活用のある語に「さ」,「み」,「げ」などの接尾語が付いて名詞になったものは,もとの語の送り仮名の付け方によって送る。】

つまり「みつもり」には、元の語(みつもる)の送り仮名の付け方と同じ送り仮名が適用されます。

 

では「みつもる」の送り仮名はどのように定められているのでしょうか。

「送り仮名の付け方」の通則6には、次のようにあります。

【本則 複合の語(通則7を適用する語を除く。)の送り仮名は,その複合の語を書き表す漢字の,それぞれの音訓を用いた単独の語の送り仮名の付け方による。】

※ここでいう「複合の語」は漢字二文字以上で構成された語を指します。

このルールに従うと、「みつもる」の送り仮名は、「みる」と「つもる」というそれぞれの言葉の送り仮名に従うことになります。

「みる」の送り仮名はもちろん「み」の後に付きます。(見る、見ない、見た)

「つもる」の送り仮名は、本来は「つ」(積もる)の後に付きますが、「つも」の後に送り仮名をふること(積る)も『許容』されています。※

※この点については、「送り仮名の付け方」の次の二文を参照してください。

【通例2 本則 活用語尾以外の部分に他の語を含む語は,含まれている語の送り仮名の付け方によって送る。】)

【許容 読み間違えるおそれのない場合は,活用語尾以外の部分について,次の( )の中に示すように,送り仮名を省くことができる。】

〔例〕積もる(積る)

 

このようにして、次の結論が導かれます。

結論1: 「みつもり」のうち、「み」は「見」と表記することができ、「つもり」は「積もり」と表記できる。「積り」も「許容」の範囲内である。

また、「送り仮名の付け方」の通則6には、以下の文言があります。

【許容 読み間違えるおそれのない場合は,次の( )の中に示すように,送り仮名を省くことができる。】

〔例〕売(売上げ・売上) 取(取扱い・取扱) 乗(乗換え・乗換) 引(引換え・引換)

「見積」を読み間違えるおそれはまずないでしょう。これにより、次の結論が導かれます。

結論2:「見積」という表記も許容される。

 

結論1と結論2によって、以下の二点が導かれます。

「みつもり」は基本的には「見積もり」と表記される。

・「見積り」や「見積」という表記も許容される。

 

見積もり書・見積り書・見積書について

それでは、「みつもりしょ」の正しい書き方は何でしょう。

「送り仮名の付け方」の通則7にはこうあります。

【複合の語のうち,次のような名詞は,慣用に従って,送り仮名を付けない。】

〔例〕待合((室)) 見積((書)) 申込((書))

 

このため、以下の点が明らかになりました。

・「みつもりしょ」は「見積書」と表記される。